fire HD8でマイニング

Kindle FIRE HD8
Kindle FIRE HD8(2020)第10世代

アマゾンプライムデー2022でkindle FIRE HD8(32GB)が4980円だったので思わずポチってしまいました。タブレットの省電力CPUなら効率良くマイニングできるかも?と思ったのです。

翌日配達されて、さっそくマイニングやってみました。届くまでF-Droid と UserLAnd のお勉強です。

https://f-droid.org/ja/packages/tech.ula/

FIREマイニング手順

  1. アマゾンのアカウントを2段階認証に変更する。アマゾンアプリストア以外のアプリを入れますので「アマゾンアカウントを乗っ取られる」リスクもあります。fireにアマゾンアカウントを入れずマイニング専用にするなら必要ありませんが、折角買ったんですからマイニング以外にも使いたいですからね。
  2. FIRE HD8のホーム画面で『設定』をタップ→『セキュリティとプライバシー』をタップ→「不明ソースからのアプリ」を『ON』にする→警告が表示されたらOKをタップ、これで野良アプリサイト(非公式マーケット)から apk ファイルをダウンロードして「ファイル」アプリからインストールできるようになります。
  3. https://f-droid.org/packages/tech.ula/ にアクセスし、UserLandのapkファイルをダウンロードし、ファイルアプリからダウンロードフォルダを開いてインストールする。
  4. UserLandを起動してubuntu を選択して起動する。ubuntu のユーザー名とパスワードのメモ書き保存を忘れずに。以下、UserLandのターミナル画面の動作です。
  5. $ su && apt update && apt -y upgrade
  6. $ apt-get install git automake autoconf pkg-config libcurl4-openssl-dev libjansson-dev libssl-dev libgmp-dev zlib1g-dev make g++
  7. $ git clone https://github.com/tpruvot/cpuminer-multi -b linux
  8. $ cd cpuminer-multi
  9. $ ./autogen.sh
  10. $ ./configure –with-crypto –with-curl –disable-assembly CC=gcc CXX=g++ CFLAGS=”-fPIC -Ofast -fuse-linker-plugin -ftree-loop-if-convert-stores -march=armv7″ LDFLAGS=”-march=native”
  11. $ make
  12. $ ./cpuminer -a x16rv2 -o stratum+tcp://x16rv2.auto.nicehash.com:9200 -u your-mining-address.fire

はい、マイニング開始です。

mining x16rv2 on FIRE HD8

FIREマイニング収益性

c16rv2 profitability

上記画像で分かりますが kindle fire HD8 はx16rv2を20KH/s 程度掘れるようです。プール全体で、0.23BTC/TH/DAY の収益性ですので、

23000000satoshi/TH/DAY = 23000 satoshi/GH/DAY = 23satoshi/MH/DAY となります。言い換えると、23satoshi/1000KH/DAYですね。

ということで、20KHだと 1000KHの50分の1ですから、23÷50=0.46satoshi / FIRE HD8(2020) / DAY (1日掘り続けて0.46satoshi)という恐るべき数値となります。マイニング体験にはなりますけど、実用性は皆無に近いです。うーんでも、逆に proof of work の偉大さ(proof of stake のダメさ)を実感できるかもしれません。

FIREマイニング注意点

FIRE HD8 lscpu

というわけで、一応マイニングできるようにはなったのですが丸2日悪戦苦闘したので、豆知識を書いておきます。

mining cryptonit-r on FIRE HD8

  • FIRE HD8にUserLAnd のapk ファイルをインストールした状態では、CPUは arm v8l(ぶいはちえる)ということで、32ビットモードで動作しています。64ビットCPUなんですけど、32ビットOSになっています。これはFIRE OS が32ビットで動いていることを意味しています。
  • xmrig v6.18.0は cmake option で -DWITH_HWLOC=OFF -DARM_TARGET=7 を指定すればビルド(コンパイル)できるが起動するとbus error が出てマイニングできない。v5.11.4だと32bitに対応しているのでマイニングできたがハッシュレートは3.0H/Sで事実上採掘できなかった。randomxアルゴリズムはメモリ3GB以上のスマホじゃないと掘れないようです。
  • xmrig v5.11.4 のビルド方法は、wget  https://github.com/xmrig/xmrig/archive/refs/tags/v5.11.4.tar.gz でダウンロードして、tar -zxvf v5.11.4.tar.gz で解凍します。mkdir build && cd build をやって、cmake .. -DWITH_HWLOC=OFF -DARM_TARGET=7 && make -j$(nproc)でビルドできます。
  • UserLAnd のubuntu は正式なubuntuではなく、ディレクトリ構造とかリポジトリを「それっぽく」設定してあるubuntu フレーバーってことに過ぎない。だから、sudo コマンドが通らなかったり、git コマンドが通らなかったりして愕然とすることになります。apt install sudo コマンドをやった時は流石に笑ってしまいました。ラズパイ用ubuntuのスクリプトは通らないかもしれないということです。
  • cpuminer-multi では cryptonight-r も掘れるが10H/s程度しか掘れず、6時間採掘してみたが、yes! が一度も出なかった。つまり、永遠にシェアを獲得できない恐れがある。
  • cpuminer-multi のビルドはこのサイトを参考にしました。https://github.com/pragathoys/build_cpuminer_multi_for_armv7
  • nicehash に接続して cpuminer-multi で x16rv2を掘って yes! が表示されても、それが8回位成功しないと1satoshi にならない。つまり、これは 1satoshi 未満マイニングということになる。
  • 野良アプリサイトは、APKmirror, APKpure, F-Droid などがあるが、当該サイトのマーケットアプリは入れる必要が無い。UserLAnd だけ入れればubuntu 環境に入ることができるのでそれ以外いれる必要なし。
  • F-Droid にある Android XMRig miner は2018年のビルドなので古すぎて掘れなかった。 https://f-droid.org/packages/org.elijaxapps.androidxmrigminer/
  • マイニングするときは電源ケーブルを抜くと採掘速度が極端に低下するので、電源ケーブルを接続すべし。設定で、「アプリの固定」を許可して、UserLAnd をピン止め固定して動作させるとほんの少し採掘速度が上がる。UserLAndのアプリ情報で「バッテリーの最適化しない」に設定した方が良く掘れる。
  • F-Droid の ubuntu ターミナルは、Termux もあるが、ubuntu 環境にするには pkg install proot && pkg install proot-distro && proot-distro install ubuntu && proot-distro login ubuntu が必要となり面倒なので、UserLAndの方が簡単です。

まとめ

結局、FIRE HD8(2020)のマイニングはFIRE OS が32ビットということで実用性が低いことが判明してしまいましたが、xmrig のバージョンアップ次第ではCPU向きのアルゴリズムrandomxmoneroが掘れるかもしれないし、nicehashがghostriderに対応したら収益性が上がって実用性が出てくるかもしれません。スマホマイニングもやってみたかったので良かったです。進展があったら追記します!

fire HD8 で neoscrypt 採掘

※2022/7/24追記します。

アルゴリズムをneoscryptに変えたらラズパイ4Bに近い採掘量を実現しましたので追加レポートします。

コマンドラインは次の通りです。

$ ./cpuminer -a neoscrypt -o stratum+tcp://neoscrypt.auto.nicehash.com:9200 -u your-mining-address.fire

fire-neoscrypt-380ma

画面表示している時の消費電流は380mA

fire-neoscrypt-280ma

画面を消している時は280mAでした。

1日7satoshi を、電力量5V280mA×24時間で採掘するわけです。収益を計算してみましょう。

7satoshi = 0.2143 yen

5V × 0.28A × 24H = 33.6Wh

1KWh = 26yen とすると、1Wh=0.026 yen なので、

1日の電気代は、33.6Wh × 0.026 yen = 0.8736 yen

ということで、ここでも黒字マイニングにはなりませんでしたが、ラズパイだと1A以上消費しているのでラズパイよりは効率が良い感じです。発熱が少ないので夏はこのまま24時間採掘を続けてみたいと思います。

※2022/8/23追記

アンドロイド用マイニングソフト aaminer でも neoscrypt を掘れましたので追記します。

apkファイルを github からダウンロードしてインストールします。

https://github.com/aa-miner/aaminer/blob/master/aaminer-1-50-release.apk

アルゴリズムで neoscrypt を選択し、サーバー欄に、

stratum+tcp://neoscrypt.auto.nicehash.com:9200

これを入力し、自分のアドレスを入力して、start mining ボタンをクリックするだけです。採掘量は3.64KH/sで、上記ソフトと同程度になりました。画面下部に広告動画が表示されます。

aaminer neoscrypt


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