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OP_RETURN報告
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in an instant all my trepidation was turned into unutterable bliss
https://mempool.space/ja/tx/a1d6d7d12fb89b9e42efc5f34d5e8f5588ca711a0052cbd0de7f00043a27d989
やはり、イクイアーノさんの「奇妙な物語」からの一節をopreturnで送信致しました。7章からの引用です。これはイクイアーノが自由民の地位を買い戻すことに成功した瞬間の感動すべき場面です。
https://history.hanover.edu/courses/excerpts/144equiano.html
We set sail once more for Montserrat, and arrived there safe. . . . We unladen the vessel, and I sold my venture, finding myself master of about forty-seven pounds. . . . [Then he went to meet his master.] with my money in my hand, and many fears in my heart, I prayed him to be as good as his offer to me, when he was pleased to promise me my freedom as soon as I could purchase it. This speech seemed to confound him; he began to recoil: and my heart that instant sunk within me. ‘What,’ said he, ‘give you your freedom? Why, where did you get the money? Have you got forty pounds sterling?’ ‘Yes, sir,’ I answered. ‘How did you get it?’ replied he. I told him, very honestly. The Captain then said he knew I got the money very honestly and with much industry, and that I was particularly careful. On which my master replied, I got money much faster than he did; and said he would not have made me the promise he did if he had thought I should have got money so soon. ‘Come, come,’ said my worthy Captain, clapping my master on the back, ‘Come, Robert, (which was his name) I think you must let him have his freedom; you have laid your money out very well; you have received good interest for it all this time, and here is now the principal at last. I know Gustavus has earned you more than an hundred a-year, and he will still save you money, as he will not leave you:–Come, Robert, take the money.’ My master then said, he would not be worse than his promise; and, taking the money, told me to go to the Secretary at the Register Office, and get my manumission drawn up. These words of my master were like a voice from heaven to me: in an instant all my trepidation was turned into unutterable bliss; and I most reverently bowed myself with gratitude, unable to express my feelings, but by the overflowing of my eyes, while my true and worthy friend, the Captain, congratulated us both with a peculiar degree of heart-felt pleasure. As soon as the first transports of my joy were over, and that I had expressed my thanks to these my worthy friends in the best manner I was able, I rose with a heart full of affection and reverence, and left the room, in order to obey my master’s joyful mandate of going to the Register Office. Every one I met I told of my happiness, and blazed about the virtue of my amiable master and captain.
私たちはもう一度モンセラートに向けて出航し、無事に到着しました。 . . . 船から荷物を降ろし、私は自分の投資を売却し、約 47 ポンドの所有者になりました。 . . . [それから彼は主人に会いに行きました。] お金を手にし、心の中では多くの不安を抱えながら、彼が私に自由を買うことができればすぐに私に自由を与えると約束してくれたとき、私は彼に申し出と同じくらいのことをしてくれるように祈りました。この言葉は彼を困惑させたようで、彼はひるみ始めました。そしてその瞬間、私の心は沈みました。「何だ」と彼は言いました。「自由を与えるのか? どうして、そのお金はどこから手に入れたのか? 40 ポンドは持っているのか?」 「はい、船長」と私は答えました。「どうやって手に入れたのか?」と彼は答えました。私は正直に答えました。すると船長は、私がそのお金を非常に正直に、非常に勤勉に手に入れたこと、そして特に注意深く手に入れたことを知っていると言いました。すると主人は、私が彼よりもずっと早く金を手に入れた、と答え、私がそんなに早く金を手に入れると思っていたら、彼は私にそんな約束はしなかっただろうと言った。「さあ、さあ」と私の立派な船長は主人の背中をたたきながら言った。「ロバート(彼の名前だ)よ、彼を自由にしてあげなくてはならないと思う。あなたはお金をとてもうまく使い果たした。これまでずっとそれに対して良い利息をもらっていた。そしてようやく元金が戻ってきた。グスタフスがあなたに年間100ポンド以上稼いでいることはわかっている。彼はあなたを見捨てないので、まだお金を節約してくれるだろう。さあ、ロバート、お金を受け取って。」すると主人は、約束より悪いことはしないと言って、お金を受け取ると、登記所の秘書のところへ行き、解放状を作成するように私に言った。主人のこの言葉は私にとって天からの声のようだった。一瞬にして私の不安はすべて言い表せない至福に変わった。そして私は、感謝の気持ちでとてもうやうやしく頭を下げ、自分の気持ちを目頭が熱くなることしか表現できず、その間、私の真の尊敬すべき友人である船長は、特別な心の底からの喜びで私たち二人を祝福してくれました。喜びの最初の高揚が過ぎ、私ができる限りの最高の方法でこれらの尊敬すべき友人に感謝の意を表した後、私は愛情と尊敬に満ちた心で立ち上がり、主人の喜ばしい命令に従って登記所に行くために部屋を去りました。会う人ごとに私は自分の幸せを語り、私の愛すべき主人と船長の徳を熱く語りました。
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お金で売買された奴隷だから、お金で買い戻すことができるのはある意味当然のことなのですが、それすら守ろうとしない奴隷主も多かったのです。しかし、イクイアーノの主人は約束を守って、お金を受け取り、登記所で解放状を作成する手続きをやったのです。その瞬間、「一瞬にして私の不安はすべて言い表せない至福に変わった」という文章で描かれています。イクイアーノの生涯で最も重要な瞬間のひとつでしょう。当時の船長が口添えをしてくれたことが分かります。船長はイクイアーノの勤勉な働きぶりを見て、自由民の買い戻しに協力してくれたのです。
現代から見れば、奴隷貿易自体が不条理なものであり、それを金銭で買い戻す必要は無いと考えられますが、当時は大真面目にそれが行われていたのです。買い戻すための金銭を、日々の努力で積み重ねていたのです。この歴史を知っているかどうか、これが教養の差だと思います。歴史的に見れば、イクイアーノの解放が、後日の奴隷廃止運動や回顧録の出版に繋がり、イギリス議会における1807年の奴隷貿易禁止法制定に繋がって行きました。
※オラウダ・イクイアーノの生涯と奴隷禁止法関連年表
1745年 現在のナイジェリア南東部に生まれる。イボ族の一員として育ち、アフリカ文化に親しむ。
1756年 約11歳のときに誘拐され、奴隷として西アフリカの海岸に連れて行かれる。その後、奴隷船でカリブ海へ送られる。
1757年 イギリスの海軍将校マイケル・ヘンリー・パスカルに購入され、ヨーロッパの名前「グスタフス・ヴァサ(Gustavus Vassa)」を与えられる。
1766年 パスカルから別の主人に売られた後、積み立てたお金で自身の自由を買い取る。これにより、自由人としての人生をスタートさせる。
1767年 自由を得た後も商人や船乗りとして働き、世界各地(カリブ海、地中海、北極圏など)を旅する。
1773年 北極探検(コンスタンティン・フィップスの探検隊)に参加し、新しい航路の開拓に貢献。
1786年 イギリスに戻り、奴隷廃止運動に関わる。特に、「奴隷貿易廃止委員会」と協力し、奴隷制度の廃止を訴える活動を行う。
1789年 自伝『オラウダ・イクイアーノの興味深い物語』を出版。奴隷制度の残酷さを訴えるこの本はベストセラーとなり、ヨーロッパやアメリカで大きな反響を呼ぶ。
1792年 イギリス議会で奴隷貿易廃止法が議論される際、イクイアーノの証言や著書が廃止運動の支援材料として使用される。ケンブリッジシャー州ソーハムのセント・アンドリュー教会で地元の女性スザンナ・カレンさんと結婚した。夫婦はその地域に定住し、アンナ・マリア(1793年 – 1797年)とジョアンナ(1795年 – 1857年)という2人の娘をもうけ、ソーハム教会で洗礼を受けた。
1796年 妻スザンナは1796年2月に34歳で亡くなった。
1797年 イギリスで死去(52歳)。
1807年 奴隷貿易禁止法(Abolition of the Slave Trade Act)がイギリス議会で可決される。 奴隷貿易を全面的に禁止する法律であり、イクイアーノの活動が大きく影響を与えた。
1833年 奴隷制度廃止法(Slavery Abolition Act)が可決され、イギリス帝国内の奴隷制度が廃止される。 この法律により、奴隷が解放されるとともに、植民地の奴隷所有者には賠償金が支払われる。
1834年 奴隷制度廃止法が施行され、植民地内の奴隷たちに「見習い期間」を経た上での自由が与えられる。
1838年 見習い期間が完全に終了し、植民地内のすべての奴隷が完全に解放される。 -
how he, as a Christian, could answer for the horrid act before God?
https://mempool.space/ja/tx/0398c8247c9990479f2f24418d21c70a89729de3b6a9a3024c91ed4a01bfcc31
やはり、イクイアーノさんの「奇妙な物語」からの一節をopreturnで送信致しました。5章からの引用です。
https://pressbooks.library.torontomu.ca/lifeofolaudahequia/chapter/5/
One Mr. Drummond told me that he had sold 41,000 negroes, and that he once cut off a negro-man’s leg for running away. —I asked him, if the man had died in the operation? How he, as a Christian, could answer for the horrid act before God? And he told me, answering was a thing of another world; what he thought and did were policy. I told him that the Christian doctrine taught us to do unto others as we would that others should do unto us. He then said that his scheme had the desired effect — it cured that man and some others of running away.
ドラモンドという人から、彼は41,000の黒人を売ったことがあり、逃げ出さないように黒人の足を切り落としたこともあると聞いた。私は彼に、そんなことをしてもしその男が死んだのなら、クリスチャンとして神の前で、どうやってそんな恐ろしい行為の責任を取るのですか、と尋ねた。彼は、うまい方法だと思ってやったのであって、責任を取るとしてもあの世でのことだと言った。私は彼に、キリスト教の教義では、他人が私たちにしてくれることを望むように、私たちも他人にしなさいと教えているのだと言ったが、彼は、おかげで逃げようとした男も他の黒人も逃亡癖が治ったよと言った。
イクイアーノが自由民の身分を獲得して、信仰を深める過程で、様々な見聞をしてキリスト教の問答をした場面が描かれています。黒人奴隷の扱いに関して想像を絶する不信心な行為があり、それを問い質しても全く悪いと思っていない様子だったのです。
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I began to raise my fear from man to him alone
https://mempool.space/ja/tx/543463274da3f32655442370edb224e783622a9e70959eef927724affd160ff3
やはり、イクイアーノさんの「奇妙な物語」からの一節をopreturnで送信致しました。
I thought I could plainly trace the hand of God, without whose permission a sparrow cannot fall. I began to raise my fear from man to him alone, and to call daily on his holy name with fear and reverence: and I trust he heard my supplications, and graciously condescended to answer me according to his holy word, and to implant the seeds of piety in me, even one of the meanest of his creatures.
イクイアーノが信仰に目覚めた瞬間の言葉なんですね。どんなに恐ろしい目にあっても、恐れるのは人間ではなく、神なんだと!気付いたってわけです。
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O, ye nominal Christians! learned you this from your God?
https://mempool.space/ja/tx/23096e5752b8a8bd09c012a0fdd90aa29254490a6dfe5d4262e0bbec43b2a6a9
これは、The Interesting Narrative of the Life of Olaudah Equiano の一節をOP_RETURNで送信したものです。
https://quod.lib.umich.edu/e/ecco/004837188.0001.001/110:8?page=root&size=100&view=text
主人公がアフリカで拉致されてバルバドスのブリッジタウンで売られるとき、黒人の兄弟が引き裂かれて別々に売られていくのを見て述べた言葉です。
「名ばかりのキリスト教徒よ!あなた方はこんなことを神から学んだのか!」
という感嘆です。本当のキリスト教はそんなものじゃないよと言っているわけです。奴隷解放の突破口にキリスト教があるということに主人公は身をもって感じていたわけです。
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