イーサリアムのPOS(proof of stake)移行措置、the merge が完了しました。イーサリアムはプルーフオブワークをやめてプルーフオブステークに移行しました。取引履歴を記録したブロック追加の検証にハッシュ関数の計算競走することをやめて、イーサリアム所有者の多数決で決めることにしたのです。ブロック15537394で切り替わりました。
※etherscan.io でPOS移行ブロックを確認
https://etherscan.io/block/15537394
マイニング情勢の変化
それは、Sep-15-2022 06:42:59 AM +UTCに起こりました。日本時間だと9時間後ですから 2022/9/15 15:42:59 です。イーサリアムブロックチェーンを維持するための電力を99パーセント削減したので SDGsに合致するようになり、金融商品などへも組み込みやすくなったのではないかと言われています。
当サイトの関心は勿論マイニング情勢の変化です。
グラボマイニングの9割を占めていたイーサリアムのPOWマイニングが終了してしまったのですから、9割のグラボが他のアルゴリズムに押し寄せて、他のアルゴリズムの採掘量は10分の1になってしまうのではないか、とも思われましたが、実際にはどうなったでしょうか。
※ZELHASH by nvidia GTX1650
merge 前は約1100satoshi/day でした。
それが、merge 後は、
548satoshi/day に減少しました。約半分になりました。
※neoscrypt by jetson-nano
merge 前は、32satoshi/day でしたが、
merge 後は、8satoshi/day となりました。
※randomxmonero by intel core i5-6500T
merge前は190satoshi/dayでしたが、
merge 後は、192satoshi/day となりました。
意外に少ないmergeの影響
ということで、zelhash が約半分、 neoscrypt が約4分の1という採掘速度に低下しました。9割のシェアを占めていたETHのグラボマイニングは、意外に他のアルゴリズムに移行しませんでした。イーサリアムマイニングの収益性と同等以上が確保できないと悟り、mergeと共にマイニング廃業にした人が多かった様です。
そして、CPU専用アルゴリズムであるrandomxは採掘速度が変化しませんでした。もともとCPUマイニングは商売でやってる人は少なかったのでしょう。普通に自分でPCを使ってる人が、アイドリングタイムとか、空いてるコアを利用して掘るのがCPUマイニングだからです。CPUマイニングでも、op_return送信用なら十分な採掘量です。
悩ましいところですが、現時点で、GPUマイニングの方がCPUマイニングよりも電力効率は良い状態のままになっているようです。我が家ではグラボマイニングも停止せず、冬の「マイニング暖房」に向けてリグの調整などをやって待機したいと思います。
※2022/9/17追記
the merge 実装から24時間経過したので再度採掘情況を確認してみました。今度は6時間ではなく、24時間の平均を求めます。
zelhashは 1100satoshi から 400satoshi へ減少しました。
neoscrypt は 32satoshi/day から 21satoshi/day へ減少です。
randomxmonero は 192satoshi/day から 187satoshi/day へ微減ですが、誤差の範囲内でしょう。流石CPU専用アルゴリズム!
zelhash の採掘量は the merge 当日に約半分まで減少し、翌日には更に1割程減少しました。採掘効率が3分の1に減少しています。これでは損益分岐点は超えられないでしょう。ビジネスとしてではなく、アイドル時間のグラボを活用しようとしている一般人の採掘者がマイニングしていると思われます。
さすがに、この変化を実際に体験するとGPUマイニングの終了を実感させられます。3Dゲームや動画編集などの必要がなければ、マイニング用途だけで新しくGPUを買う気が失せた気がします。opreturn送信の目的で、nicehashなどでBTCを間接採掘する場合はrandomxなどのCPUアルゴリズムで、低消費電力のPCを購入するのが良いのかなと思いました。そのうちCPU向けの ghostriderアルゴリズムをnicehashが導入する気がしています。
※参考記事
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