ビットコインが使用しているピアツーピアネットワーク技術(web3.0)が使われているVPNであるdVPN、decentralized Virtual private network が注目を浴びつつありますのでご紹介致します。
まず、VPN
これはクラウド上に暗号通信を使ってプライベートネットワークを構築するもので、接続したコンピューターは、そのプライベートネットワークのゲートウェイを経由してインターネットに接続することができるというものです。アクセス先のサーバーからみると、VPN経由のアクセスは、すべてVPNのゲートウェイのipアドレスからアクセスされたように見えます。従いまして、外国からNHKとかradikoとか国内アクセスが必要なサイトを利用するときに、VPN経由でアクセスすると閲覧利用することができるようになるというわけです。ネット検閲が行われている国では、外国のVPN経由でインターネットにアクセスすることにより「検閲を回避」することができます。まあ、検閲ルーターでは、世界中のVPNのipアドレスを保存して、そのアクセスを遮断したりしているようではあります。VPN側も次から次へと新しいサーバーを開設して、検閲ルーターがそのipアドレスを遮断する、という「いたちごっこ」が続いているということになります。
国境なき記者団では、2014年までネット検閲が強い国を「インターネットの敵」として公表していました。
イラン、キューバ、北朝鮮、サウジアラビア、シリア、トルクメニスタン、ウズベキスタン、ベトナム、中華人民共和国、ベラルーシ、バーレーン、アラブ首長国連邦、インド、ロシア、エチオピア、イギリス、パキスタン、スーダン、アメリカ合衆国です。
検閲を回避するためのVPNを、ipアドレスから切り離してしまったのがdVPNです。dVPNへのアクセスは、ipアドレスへのアクセスではなく、ピアツーピアネットワークにアクセスするソフトウェアの実行です。ソフトウェアが起動すると、世界中のipアドレスから、同じソフトウェアを実行しているPCを探し出し接続し、自分のPCがdVPNのノードのひとつになり、プライベートネットワークの一員になるのです。dVPNは ipアドレスのフィルタリングでは遮断することができません。
ネット検閲国の基幹ルーターがdVPNを遮断したい場合は、dVPNのソフトウェアが出すパケットに特徴的な動きを識別して、そのパケットを出しているPCを遮断するしかありません。また、刑法などで「dVPNソフトウェアインストール罪」というような訳の分からない刑罰法規を制定して取り締まるほかありません。
TCP/IP通信を匿名化する技術にはtorというものもあります。これもピアツーピアネットワーク技術が使われています。
コメントを残す