量子コンピューターが実用化しても大丈夫な耐量子暗号アルゴリズム(P2QRH pay to quantum resistant hash, P2QS pay to quantum secure)を用いた署名方式の研究が毎日進められています。
従来のビットコイン公開鍵暗号の署名は、鍵長256ビットの楕円曲線暗号secp256k1が使われていますが、NIST(米国立標準技術研究所)では次世代の耐量子暗号の標準化プロジェクトが進行しています。
2024年8月13日に、FIP203,FIP204,FIP205が発表され、FIP206も計画されています。
これに伴い、ビットコインにも新しい署名方式を導入しようとするBIP案( Bitcoin Improvement Proposals)の作成が進められています。
いまだ正式な耐量子暗号のBIPは作成されていないようですが、私的なグループが草案を提出しているようです。
※QuBit – P2QRH の提案
https://github.com/bitcoin/bips/pull/1670
※FALCON(FN-DSA)署名を追加する提案
https://github.com/cryptoquick/bips/pull/9
※P2QRHを提案するgoogle group の話し合い
https://groups.google.com/g/bitcoindev/c/Aee8xKuIC2s?pli=1
新しい暗号方式に抜け穴があったらどうするの?と思うかもしれませんが、マルチシグにして従来の暗号と併用すれば大丈夫です。従来の暗号に加えて、新しい暗号の署名も要求するようにすれば、暗号強度が低くなってしまう心配はありません。新しい暗号が破られても、従来の暗号が解けなければ資金を盗むことはできないからです。
コメントを残す