OP_RETURNプロトコルというのは、OP_RETURNの手順書、約束事というような意味です。80byteのデータの最初の3バイトで、OP_RETURNの利用者を判別しようという試みです。これは勿論bitcoin core の正式な決まりではありませんので、従わなければならない強制的なルールではありません。
OP_RETURNは誰でも自由に書き込みできますので、最初の3バイトを他人が勝手に書き込みすることもあり得ます。でも、起点となるトランザクションをあらかじめ設定しておいたり、残り77バイトの中に偽造チェック用のコード(デジタル署名)を組み込んだりして、他人のなりすましかどうかすぐに分かる仕組みになっています。最初の3バイトにはあまり意味がないのですね。
オムニレイヤー
この円グラフで、3分の1を占めるプロトコルがomnというプロトコルです。オムニレイヤーというビットコイン上のプロジェクトです。オムニというのはラテン語で「すべての」というような意味です。レイヤーというのは階層という意味で、ビットコインの取引を記録するメインブロックチェーンとは別の階層のブロックチェーンである、というような意味です。すべてを包摂するような、なんでも書き込める別のブロックチェーンを、ビットコインの堅牢なブロックチェーンの上に構築できるというわけです。
これは簡単に言うとビットコインのブロックチェーン上に、別のトークンを記録して流通させるという仕組みです。ブロックチェーン上のブロックチェーンというわけです。最も有名なトークンが、テザーUSDTです。OP_RETURNでカラードコインを作成すれば、それは偽造不可能なトークンとして利用することができます。OP_RETURNを利用すると、ビットコインのブロックチェーンと同じ「堅さ」のトークン(カスタムコイン)を造ることができてしまうのです。
2021年5月現在、なんと850ものトークンが作られています。オムニレイヤーのトークンを使ってクラウドファンディングもできます。出資者に自動でトークンを配布するのです。
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