このように1日268satoshi掘れていたcryptonightrが突然掘れなくなりました。何故かなーと思ってnicehash のアルゴリズム一覧からcryptonightr の項目をクリックしてみたところ、
このようなグラフが表示されました。突然、プールのハッシュパワーが激減していたのです。理由は分かりませんが、ハッシュパワーの「買い注文」が激減したためと思われます。なんと買い注文は2件で、1日に0.0058btc(580000satoshi、約2万円)しかありませんでした。cryptonightRのスポンサーが減ってしまったんですね。
それで長期チャートもクリックしてみました。
ということで、これを見て納得してしまいました。このアルゴリズムは徐々に人気が無くなってきており、2021年の7月に至って、もう風前のトモシビになってしまっているということなんですね。手持ちリグのrandomXmoneroへの移行措置を行いました。
思い返せば、moneroの新アルゴリズムとして2019年3月に採用されましたが、2019年11月30日にはrandomxへと更に変更されてしまっておりました。それ以降、cryptonightr(cryptonight variant 4)を採用していたのは、Sumokoin と Lethean という2つの弱小暗号通貨のみでした。
アルゴリズムというのは暗号通貨と同じで、栄枯盛衰があり、地球温暖化のように、常に変化し続けるということなんですね。変化は避けられないのです。アルゴリズムの寿命といいますか、アルゴリズムの死というのもあるわけです。
そうであれば、あのBTC、そうビットコインのアルゴリズムSHA256dはどうなのでしょう。ハッシュレートが上がり過ぎて、CPUは当然として、GPUですら太刀打ちできず、もはやASICが無いと一切掘れない状態になっています。
この問題は、2つの観点から考察することができます。(1)ビットコインの時価総額が維持されるかどうか、(2)ビットコインのアルゴリズムがSHA256dから変更されるかどうか、という2点です。
ビットコインの時価総額が続くかどうかというのは、ビットコインの暗号secp256k1が破られるかどうか、という論点と、ビットコインの人気が続くかどうか、という論点が含まれます。ビットコインの暗号強度と人気は両方とも必要です。暗号強度は数学の問題ですが、人気は心理学の問題です。暗号強度が維持されていても人気が無くなれば時価総額は暴落することになるのです。ビットコインの時価総額が暴落すれば、そのアルゴリズムでは一切掘れなくなってしまいます。
SHA256dからアルゴリズムの変更があるかどうか、という論点は、ビットコインのソフトウェアの変更があるかどうか、という問題ですから、世界中のマイナーの多数決で合意が成立するかどうか、という問題です。現在利益を得ているマイナー(マイニングプール)が自分たちの不利益になるような決定に同意するとは思えませんので、自分達が所有しているASICが全く使えなくなってしまう様な決定がなされる可能性は非常に低いでしょう。ただ、主要マイニングプールが、「アルゴリズムをアップデートした方がビットコインの価値が更にアップし、自分たちの利益が守られる」と考えた場合には、ASICのファームウェア修正で対応できるほどのアルゴリズムの微調整は考えられると思います。例えば、従来のアルゴリズムでも掘れるけど、アップデートすればもっと掘れる、というような下位互換性を持つようなアルゴリズム変更も考えられます。
現状では、アルゴリズムを変えずに難易度調整でビットコインネットワークが維持されている状態ですが、短期的にはこの状況に変更は無いのかなと考察しました。そしてもちろん、中長期的には、アルゴリズムのアップデートは避けられないものと思います。
※参考記事
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